執筆者 川西合同事務所 司法書士田原一暁
ここでは、遺産承継業務に関してご説明します。
相続が発生すると、相続人全員で話し合いをして(この話し合いのことを「遺産分割協議」といいます)、その合意内容に基づいて具体的な手続きを進めていくことになります。
亡くなられた方の遺産を解約、現金化、名義変更して、相続人全員の合意内容に基づき計算配分する業務が遺産承継業務です。
遺産承継業務をご依頼いただいた場合の大まかな流れは次のとおりです。
⑴ 遺産承継業務委任契約書の作成、調印
※ 遺産の総額が判明していれば、この時点で概算の費用総額をご提示できます。
⑵ 必要な戸籍謄本等の収集取得
※ そもそも相続人の範囲が未確定である場合には上記⑴.⑵に先立って法定相続情報一覧図の保管および写しの交付のご依頼をいただき、ご依頼いただく方(法定相続人全員)を確定するようにします。
※ 法定相続情報一覧図の保管および写しの交付の委任をいただけば、遺産承継業務を依頼するか判断がまだついていない場合(遺産承継業務委任契約締結の前)にも戸籍謄本等の収集に着手することが可能です。
⑶ 遺産の確定(金融機関での残高証明書の取得、不動産の評価証明書の取得等)
⑷ 財産目録の作成
⑸ 遺産分割協議書の作成
⑹ 相続財産の換価換金、名義変更手続き
⑺ 報酬額の確定
⑻ 報酬、立替金の精算
⑼ 相続人への財産引渡
※ 着手から業務終了までの期間は、相続人の数・遺産の態様等により異なります。スムーズにいっても2か月くらいはかかります。(目安です)
関連ページ:遺産承継業務に付随する業務への対応は?
⑴ メリット
①手間、時間を省ける
戸籍謄本等の必用書類の取り寄せ、預金の残高証明書の取得など、手間がかかる手続きを任せることが出来ます。
平日の昼間にしか出来ないような手続きも任せることが出来ます。
②効率よく手続きが進められる
相続人が多人数であったり、全国各地にお住まいだったりで、なかなか集まって必要書類に署名捺印することが出来ない場合がありますが、遺産承継業務委任契約書、遺産分割協議書に署名捺印することで各金融機関の相続書式に連名で署名捺印しなくても手続きを進めることが出来ます。
③普段あまり付き合いの無い相続人同士の連絡をあまりしなくて良い
普段あまり付き合いが無い人同士が相続人となっている場合(例 いとこ同士が相続人である。相続人が父親・母親が異なる兄弟姉妹で幼少期から会ったことがない等)には、連絡をすることに自体にストレスを感じることもあるかと思います。そもそもどうやって連絡をすれば良いかわからないこともあるかもしれません。
⑵ デメリット
①費用(報酬)
遺産承継業務のご依頼には報酬がかかります。報酬基準はこちらをご覧ください。(手続きに要する実費は別途必要です。)
⑶ ご留意いただく事項
①法定相続人全員からのご依頼
遺産承継業務は、法定相続人全員からご依頼いただく必要があります。お一人でも依頼することに反対の方がいらっしゃる場合にはご依頼いただけません。
②相続人間に争いがある場合にはご依頼いただけません
相続人間に争いがある場合(相続財産の範囲に争いがある、具体的に誰が何を相続するのか合意できない等)にはご依頼いただけません。
ここでは、遺産承継業務に関してご説明しました。
遺産承継業務をご依頼いただくことにはメリットもデメリットもあります。
ご依頼いただく場合には、十分にご納得いただく必要があります。まずはお気軽にご連絡ください。
お電話でお問い合わせの方は、072-740-3900 にお電話ください。(平日の9時から17時)
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川西合同事務所 司法書士田原一暁