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共有名義で不動産を購入する場合の持分の決め方は?

執筆者 川西合同事務所 司法書士田原一暁

共有名義で不動産を購入する場合があります。

共有名義で不動産を購入することにより、①共有者全員の資金を不動産購入に使える ②ローンをたくさん借り入れることが出来る などのメリットがあり、購入する不動産の選択肢が広がります。

また、夫婦共有での住宅購入の場合には、①住宅ローン減税の適用 ②親からの住宅資金贈与 の面からもメリットがあるようです。

夫婦や親子など、複数名で不動産を購入すると不動産は共有となります。

司法書士が売買による所有権移転登記のご依頼をいただく際に、買主が複数名の場合には必ず各々の持分割合を確認します。

不動産の売買契約書には通常買主の持分割合は記載しませんが、共有者の持分は必ず登記しなければいけません。

ですので、登記申請時までに持分を決定してお知らせいただく必要があります。

夫婦共有での購入、親子共有での購入などの様々な場合がありますが、その持分割合の決定はどうすれば良いのでしょうか?

この問題は本来税金の問題(贈与税の問題)ですので、司法書士としては確定的なアドバイスは出来ない(本来は税理士さんや税務署に確認すべき事項)と考えております。しかし、登記をするにあたり、明らかに合理的ではない持分割合での登記をしようとしているご依頼者に対しては、「その持分で大丈夫ですか?」と確認すべきとも考えております。

最終的な判断はご依頼者にしていただきますが、持分決定の基本的な考え方はお伝えするようにしております。

持分を正しく登記する必要性

登記申請のご依頼時に持分割合をどのようにするかを確認すると、持分を「何となく」決めている方が意外と多い印象です。「夫婦なのだから持分は2分の1ずつで良いのでは?」などとおっしゃいますが、どうでしょうか?

 

1.持分の決め方の原則

まずは、持分の決め方の原則ですが、購入資金をいくらずつ出したのか?をもって決定します。

計算例

土地建物の売買代金総額3,000万円を、夫が2,000万円、妻が1,000万円の割合で支払う。

この場合には夫の持分を2/3、妻の持分を1/3で登記をします。

 

2.住宅ローンを利用する場合

住宅ローンを利用する場合の計算例は、ローン契約の形態により異なります。

 

⑴夫婦が個別に住宅ローンの契約をする場合

土地建物の売買代金総額3,000万円を、夫が住宅ローン2,000万円、妻が住宅ローン1,000万円を個別に契約して支払う。

この場合には夫の持分を2/3、妻の持分を1/3で登記をします。(現金購入と同じ)

 

⑵夫が住宅ローンを契約し、妻が連帯保証人となる場合

土地建物の売買代金総額3,000万円を、夫が住宅ローン3,000万円を契約し、妻が収入合算して連帯保証人となる。

この場合には夫の単独所有で登記をします。

 

⑶夫婦で連帯債務となる住宅ローンを契約する場合

土地建物の売買代金総額3,000万円を、夫婦が連帯債務で住宅ローン3,000万円を契約する。

この場合には夫の持分、妻の持分を所得金額等により合理的に決めて登記をします。

ただし、所得は変動するので注意が必要かと思われます。

※ 連帯債務の負担割合は、所得金額等に応じて合理的に定める必要があり、夫が妻に代わって負担する借入金は、夫から妻に対する贈与となります(昭和34.6.16直資「共かせぎ夫婦の間における住宅資金等の贈与の取り扱いについて」)。国税庁のホームページより引用

 

3.持分を誤って登記した場合には?

上記(1)の計算例のように夫の持分を2/3、妻の持分を1/3で登記すべきところ、夫の持分を1/2、妻の持分を1/2で登記をしてしまった場合にはどのような取り扱いになるのでしょうか?

総額3,000万円の不動産の持分を夫婦1/2ずつで登記した場合、

夫の支払い額2,000万円 - 実際に取得した持分価格1,500万円 = -500万円

妻の支払い額1,000万円 - 実際に取得した持分価格1,500万円 = +500万円

となりますので、夫が500万円損をし、妻が500万円得したことになります。

つまり、夫から妻に500万円の贈与があったとみなされます。

実際の出資割合と異なる持分で登記をすると贈与税の課税対象になり得るということです。

持分を誤って登記してしまった場合

前述のとおり、不動産購入資金の出資割合に応じて持分を決定すべきなのですが、誤った持分割合で登記申請をしてしまった場合にはどうしたらよいでしょうか?

そのまま放っておくと贈与税を課税される可能性がありますので、登記申請時に誤った持分で登記してしまった場合には、事後に訂正する登記(所有権更正登記)をします。

誤った登記を正しく直す登記を更正登記といいます。

例えば夫婦共有で登記している場合に、持分のみを更正する場合には、登録免許税が不動産1個につき1,000円となります。

注意を要するのは、共有すべき共有者を漏らしていた場合(単独所有から共有への更正登記)、共有者として登記すべきでない人を共有者としてしまった場合(共有から単独所有への更正登記)などには、前所有者の協力を得たり、抵当権者の承諾を得たりする必要があることです。

協力を得られない場合には、真正なる登記名義の回復を登記原因とする所有権一部移転登記や持分移転登記を申請する必要があり、登録免許税額は、固定資産税評価額の20/1000となります。

費用も余分にかかりますし手続きに前所有者や抵当権者の協力が必要になりますので、所有権移転登記の前に、しっかりと持分は確認する必要があります。

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