執筆者 川西合同事務所 司法書士田原一暁
ここでは、贈与による所有権登記についてご説明します。
民法549条に規定があり、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」とされています。
不動産を贈与した場合には、登記原因を贈与とする所有権移転登記を申請する必要があります。
不動産の贈与は、相続税対策として行われることが多いです。
ある不動産をまるごと全部贈与することも出来ますし、不動産の所有権の一部(持分)を贈与することも出来ます。
具体的な事例
⑴ 祖父母、父母が所有している不動産を子や孫に贈与する
⑵ 夫または妻所有の不動産を配偶者に妻に贈与する。
不動産を贈与するにあたり、検討すべき事項としては、次のようなものがあります。
1.贈与税額の検討
贈与税については、国税庁のホームページをご参照ください。
2.贈与税の特例の検討
贈与税については、夫婦間の居住用不動産の贈与の適用があるのか?
相続時精算課税制度を選択するのか?
(上記リンクはいずれも国税庁のホームページ)
3.不動産取得税の検討
不動産取得税は、売買、贈与などにより不動産を取得した際に課税される都道府県税です。
兵庫県のホームページをリンクしますので、ご参考になさってください。
4.相続発生3年以内の贈与の取扱い
贈与税と相続税は、関連性のある税金と言われています。
国税庁のホームページに贈与税の加算と税額控除について記載されています。
確認してみてください。
登記手続きの費用だけではなく、様々な検討をしていただき、ご納得いただいてからのお手続きをお勧めしております。
贈与による所有権移転登記に必要なものは、次のとおりです。
1.贈与する人
①贈与契約書、贈与証書などの登記原因証明情報
②権利書または登記識別情報通知
関連ページ:登記識別情報通知とは何ですか?
③印鑑証明書(登記申請時に発行後3か月以内のもの)
関連ページ:不動産登記に使う印鑑証明書の期限は?
④実印
⑤固定資産税の納税通知書(課税明細)または固定資産税の評価証明書
※ 最新年度分が必要です
2.贈与を受ける人
①住民票
②認印
※ ご依頼いただく場合には、贈与をする人、贈与を受ける人とも運転免許証等の公的身分証明書の提示をお願いしております。
不動産を贈与する場合にかかる登記費用は、次のとおりです。
1.登録免許税
不動産の登記を申請する際には、登録免許税という国税がかかります。
登録免許税額の計算方法は、法定されており、贈与による所有権移転登記は不動産の固定資産税評価額の2%となっています。
計算例:固定資産税評価額が1000万円の場合 1000万円×2%=20万円
具体的には、収入印紙を登記申請書に貼付して納付します。
オンライン申請においては電子納付も可能です。
2.登録免許税以外にかかるの実費
①登記事項証明書 1通あたり480円
②登記情報の確認費用 不動産1個につき1回 332円
③贈与契約書には、収入印紙200円の貼付が必要です。
3.司法書士の報酬
報酬については自由化されていますので、各司法書士により異なります。
私の報酬基準はこちらをクリックしてご確認ください。
私にご依頼いただいた場合の報酬額は、5万円程度となります。(贈与契約書の作成などを含む。消費税は別途)
※ 報酬は基準額です。不動産の価格が高額である場合、不動産の個数が多い場合などには加算させていただく場合があります。その場合には、依頼者の方に事前にご了解いただくようにしております。
お問い合わせの際には、可能な限り固定資産税評価証明書をご準備ください。
関連ページ:不動産登記費用見積もりには何が必要ですか?
不動産の贈与による所有権移転登記には、結構費用がかかる場合が多いです。
贈与税の特例を利用して贈与税が非課税になったとしても、不動産取得税がかかる場合もあります。
登記する際の登録免許税も固定資産税評価額の20/1000ですので、1000万円の評価額であれば20万円かかります。
よくご検討いただいてからの贈与をお勧めします。
お電話でお問い合わせの方は、072-740-3900 にお電話ください。(平日の9時から17時)
お問い合わせフォームでお問い合わせの方は、下記ボタンをクリックしてください。(お返事にお時間をいただく場合があります)
川西合同事務所 司法書士田原一暁