執筆者 川西合同事務所 司法書士田原一暁
自分と配偶者のどちらが長生きするかはわかりません。
ですので、次のような事例の場合には、遺言書の書き方に工夫(場合分けをする)が必要です。
1.遺言の対象になる財産 自宅の土地建物(評価1000万円)、預金(1000万円)
2.家族構成 妻と子2人(長男と長女、長男は同居、長女は別居)
3.遺言者の思い
⑴まずは妻に自宅を相続してもらいたい
⑵だけど万一遺言者よりも妻が先に亡くなっている場合には、自宅は同居の長男に相続してもらいたい
⑶長女にはそのぶん預金を多めに相続してもらおうと考えている
※ 妻が先に亡くなっている場合には、遺言書の「妻に相続させる」という部分は効力を生じません。
1.自宅の土地建物は妻に相続させる。
2.預金は妻に4分の2、長男に4分の1、長女に4分の1の割合で相続させる。
3.万一妻が遺言者より先に亡くなっている場合には、
⑴自宅の土地建物は長男に相続させる
⑵預金は全て長女に相続させる
※ 預金については「長男に4分の1、長女に4分の3の割合で相続させる」など適宜の配分にすることも可能です。ただし、長女の遺留分を侵害しない、また、後々長男長女が仲違いをしないように配慮することをお勧めします。
遺言者が先に亡くなった場合と、遺言者より先に妻が亡くなった場合の双方に対応することが出来ます。
1.遺言者が妻より先に亡くなった場合
遺言者が亡くなった時に妻が健在であれば、自宅は妻が相続します。妻は安心して余生を過ごすことが出来ます。
その後、妻が亡くなった時には、
①長男長女の話し合いに任せる
②妻も予め遺言書を作成しておく(内容としては、自宅は長男に相続させ、その分長女には預金を多めに相続させる)
などの対応が考えられます。
2.遺言者より先に妻が亡くなった場合
遺言書文例の3.のとおりに自宅は長男が相続し、預金は遺言書記載の割合で長男長女が相続することになります。
このように、もし妻が先に亡くなってしまった場合にはどうするのか?を考慮した上で遺言書を作成することが可能です。
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