ここでは、会社法人登記の管轄について取り上げてみます。会社や法人の登記は法務局というところに申請します。

会社法人を運営する上で、法務局に対してする申請には、次のようなものがあります。

１．会社の設立登記申請、役員変更登記申請などの登記申請

２．会社の履歴事項証明書や印鑑証明書の交付申請

３．改印などの届出、印鑑カードの交付などの申請、電子証明書に関する申請

それぞれの管轄を見ていきます。管轄法務局は、法務局のホームページで確認できます。

１．会社の設立登記申請、役員変更登記申請などの登記申請の管轄

登記の申請を管轄する法務局は、会社や法人の所在地によって決まっています。

見ていただくとわかりますが、会社法人登記については整理統合の結果、一つの法務局が管轄するエリアがかなり広くなっています。

例えば、私の事務所が所在する兵庫県は、南は瀬戸内海、北は日本海に接していますが、県内の会社法人の登記は神戸地方法務局の本局が全て管轄しています。司法書士が代理人として会社法人登記の申請をする場合、現在はオンライン申請が主流となっています。

一般の方がご自身で申請する場合にもオンライン申請の利用は可能ですが、申請用総合ソフトという専用のソフトをダウンロード・セッティングして、電子署名をしてとなるとハードルが高いのが現実であり、書面による申請をする場合が多いのではないでしょうか？一度で申請が上手くいけば良いのですが、申請書や添付書面の訂正が必要な場合には、結構面倒かと思います。

２．会社の履歴事項証明書や印鑑証明書の交付申請

これについては、全ての法務局で申請が可能です。（登記情報が電子化される前の閉鎖登記簿謄本は不可）

県をまたいでいても可能ですので、兵庫県川西市に所在する会社の履歴事項証明書を、大阪や東京の法務局で取得することも可能です。

また、会社法人の印鑑証明書の交付についても同じ取り扱いです。（印鑑カードは必ず持っていく必要があります）

３．改印などの届出、印鑑カードの交付などの申請、電子証明書に関する申請

これらについては、１．の会社法人の登記申請を管轄する法務局以外にも取り扱っている法務局がありますが、全ての法務局で取り扱っているわけではありません。また、他府県の会社法人については、対応してもらえません。

兵庫県川西市は大阪府池田市に隣接しており、私の事務所からは神戸地方法務局伊丹支局より大阪法務局池田出張所の方が近いのですが、兵庫県川西市に所在する会社の印鑑カードは、大阪法務局池田出張所では交付してもらえません。

いかがでしょうか？急ぎで会社の登記事項証明書や印鑑証明書が必要な場合には、とにかく近い法務局に行きましょう！