執筆者 川西合同事務所 司法書士田原一暁
相続による所有権移転登記にはどんな書類が必要なのか?についての解説をします。
相続による所有権移転登記には、
1.法定相続分どおりに登記申請をする場合
2.遺産分割協議に基づいて登記申請をする場合
3.遺言書に基づいて登記申請をする場合
大きく分けて3つのパターンがあります。
各場合に必要な書類は、異なっています。
①被相続人の出生から死亡までの除籍謄本、原戸籍謄本、戸籍謄本
本籍地の市区町村でしか取得できません。本籍地の市区町村が遠方の場合には、郵送により請求します。
インターネットで「○○市 戸籍 郵送請求」などと検索して請求方法を確認します。
郵便局で小為替を購入して、請求書、運転免許証などの本人確認書類のコピー、返信用封筒などと一緒に郵送します。
②被相続人の住民票除票(本籍地の記載要)または戸籍附票
保存期間経過により取得できない場合には、不動産の登記済証(権利書)や登記識別情報で代用します。
③相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本
④相続人全員の住民票または戸籍附票
⑤相続する不動産の固定資産税評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書の課税明細(最新年度分)
登録免許税(相続の場合は、不動産の固定資産税評価額の0.4%)の計算に使用します。
戸籍謄抄本、住民票除票、住民票の代わりに、法定相続情報一覧図の写しを使用することも出来ます。
法定相続情報一覧図の写しを取得するためには、上記の戸籍謄抄本や住民票除票、住民票など一式すべてが必要です。
①遺産分割協議書
相続人全員が遺産分割協議書に参加していること、実印が押印してあることが必要です。
押印は鮮明にする必要があります。
②相続人全員の印鑑証明書
関連ページ:不動産登記に使用する印鑑証明書の有効期限は?
③被相続人の出生から死亡までの除籍謄本、原戸籍謄本、戸籍謄本
④被相続人の住民票除票(本籍地の記載要)または戸籍附票
⑤相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本
⑥不動産を相続する相続人の住民票または戸籍附票または印鑑証明書
⑦相続する不動産の固定資産税評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書の課税明細(最新年度分)
遺産分割協議に基づいて登記申請をする場合の必要書類の多くは、法定相続分どおりに登記申請をする場合と共通しています。
遺産分割協議には法定相続人全員が参加している必要があるためです。
①遺言書(自筆証書遺言の場合、家庭裁判所で遺言書の検認手続きが必要)
関連ページ:遺言書の検認手続
②被相続人の死亡時の除籍謄本または戸籍謄本
③被相続人の住民票除票(本籍地の記載要)または戸籍附票
④相続人の戸籍謄本または戸籍抄本(実際に名義人になる人のものだけで可)
⑤相続人の住民票または戸籍附票または印鑑証明書(実際に不動産の名義人になる人のものだけで可)
⑥相続する不動産の固定資産税評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書の課税明細(最新年度分)
遺言書に基づいて相続登記申請をする場合には、
①遺言者が死亡していること
②遺言者が死亡したときに、遺言書にて相続をすることとなっている相続人が生存していること
③遺言者と登記名義人が同一人であること
を証明する必要があります。
相続による所有権移転登記を申請する場合に、一番手間がかかるのは戸籍謄抄本の取得です。
本籍地が遠方の場合には、郵送により戸籍請求をしますが、これには結構な手間がかかります。
また、転籍(本籍地を変更すること)をしている場合などに、必要な戸籍の通数が多くなってしまう場合もあります。
ご依頼いただく場合には、戸籍の取得からご依頼をいただくことをお勧めします。
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川西合同事務所 司法書士田原一暁